新築住宅の外構工事で、駐車場の床材として広く使われている土間コンクリート。しかし、駐車場は必ずしもコンクリートだけでつくる必要はありません。
透水性インターロッキングや自然石を選べば、雨水への配慮、部分補修のしやすさ、建物と調和するデザイン、将来の再利用まで考えた駐車場をつくれます。
NEW’Sでは約10年以上、コンクリートに頼らない駐車場づくりを続け、現在は手がける駐車場の90%以上でインターロッキングを採用しています。本記事では、実際の設計・施工経験をもとに、コンクリート以外の駐車場のメリット・デメリット、費用の考え方、素材の選び方を解説します。
結論|駐車場はコンクリート以外でもつくれます
コンクリート以外の代表的な選択肢は、透水性インターロッキングと自然石です。透水性インターロッキングは雨水を舗装面から浸透させやすく、部分交換やデザインの変更にも対応しやすい素材です。自然石は一枚ごとに表情が異なり、適切な石種・厚み・下地を選べば、車両が乗る駐車場にも使えます。ただし、どちらも路盤設計と施工品質が重要で、敷地条件や予算に応じて選ぶ必要があります。
駐車場をコンクリート以外にする主な選択肢
| 素材 | 主な特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 土間コンクリート | 一体的でシンプル。一般的な施工方法 | 初期費用や合理性を優先したい |
| 透水性インターロッキング | 雨水を浸透させやすく、部分交換が可能 | 排水・補修・デザインをバランスよく考えたい |
| 自然石 | 天然素材ならではの表情と経年変化 | 建物との一体感や素材の質感を大切にしたい |
| 砂利 | 比較的導入しやすく、水が地面へ抜けやすい | 補助的な駐車スペースや予算を抑えたい場所 |
どれか一つが常に優れているわけではありません。車の重量や台数、地盤、排水、勾配、建物のデザイン、将来の維持管理まで含めて判断します。インターロッキングの仕組みを詳しく知りたい方は、駐車場にインターロッキングを使う理由|コンクリートとの違いもご覧ください。
NEW’Sがコンクリートの駐車場を減らした理由
きっかけは、外構工事の現場管理で経験したコンクリート施工の難しさでした。コンクリートは適切に設計・施工すれば耐久性に優れた舗装材ですが、現場で仕上げるため、天候や気温、施工条件の影響を受けます。
- 季節や気温で仕上がりに差が生じる
- 雨天で施工日程が変わりやすい
- 乾燥収縮などによるひび割れを完全には避けにくい
- 硬化前に動物が歩くと足跡が残ることがある
- 色むらや表面の質感について認識差が生じる場合がある
- 部分補修では新旧の色や質感の差が出やすい
完成を楽しみにされているお客様にも、施工する側にも、できるだけ不安の少ない方法を選びたい。そこで工場製品として品質を管理しやすく、必要な部分を外して交換できるインターロッキングを本格的に採用するようになりました。

透水性インターロッキングのメリット
1.工場製品のため品質をそろえやすい
舗装ブロックは工場で一定の品質管理のもと製造されます。現場打ちコンクリートと比べ、色や形、表面の仕上がりをそろえやすいことが特徴です。
2.必要な部分だけ補修・交換しやすい
沈下や破損が起きた場合、該当部分を取り外し、路盤を調整して敷き直せます。配管工事などで舗装を開ける場合にも、同じブロックを再利用できる可能性があります。
3.雨水を地中へ還しやすい
透水性インターロッキングは、雨水を舗装面から路盤へ通す機能を持ちます。路盤で一時的に保持し、地盤条件が許せば地中へ浸透させることで、敷地外へ一気に流れる雨水を抑える考え方につながります。
ただし、透水性舗装を使えば雨水が必ずすべて浸透するわけではありません。地盤の透水能力、地下水位、路盤構成、勾配、排水経路、経年による目詰まりを確認し、敷地全体の排水計画と一緒に設計します。
4.建物に合わせてデザインできる
色、サイズ、表面の質感、敷き方を選べるため、建物の水平ラインや外壁色、アプローチの軸線とつなげられます。駐車場は敷地の中で大きな面積を占めるからこそ、床材が住宅全体の印象を左右します。

透水性インターロッキングのデメリットと注意点
- 路盤が不十分だと沈下や不陸が起こる:車両荷重に合った掘削深さ、砕石、転圧が欠かせません。
- 目詰まりで透水性能が低下することがある:土や砂が堆積する環境では清掃などの維持管理が必要です。
- 製品ごとに耐荷重性能が異なる:歩行用ではなく駐車場対応製品を選びます。
- 初期費用が高くなる場合がある:製品、施工パターン、面積、路盤条件によって土間コンクリートより高くなることがあります。
- 雑草や目地材への配慮が必要:適切な目地材・施工・維持管理が重要です。
素材の性能だけでなく、見えない下地を正しくつくることが、長く安定して使うための前提です。
自然石でつくる駐車場の魅力
自然石は一枚ごとに色、模様、質感が異なります。ベージュ系の石をモザイク状に敷けば温かい印象に、黒いピンコロ石を使えば建物や植栽を引き立てる落ち着いた景色になります。
NEW’Sでは、溶岩石の平板「ボルケーノ」を早い時期から住宅展示場などの舗装に取り入れてきました。自然石でありながら建築の直線にも合わせやすく、雨に濡れたときや時間が経ったときに、工業製品とは異なる表情が現れます。
福岡・佐賀・山口・熊本など、地域の景観や石材との関係も意識します。ただし、すべての自然石が駐車場に適するわけではありません。石種の強度・吸水性・厚み、表面の滑りにくさ、車両荷重に対応した下地、供給量、費用まで確認します。
自然石のメリット
- 天然素材ならではの質感と一枚ごとの表情がある
- 石種・形状・敷き方によって建物に合わせられる
- 雨や時間による経年変化を楽しめる
- 施工方法と状態によっては取り外して再利用できる
- 地域の素材を庭や街並みに取り込める
自然石のデメリット
- 石種・加工・施工方法によって費用が高くなる
- 強度や吸水性、凍害への耐性が石ごとに異なる
- 表面仕上げによっては雨天時に滑りやすい
- 車両荷重に対応した厚みと下地設計が必要
- 色や模様が均一ではないため、天然素材への理解が必要
比較|コンクリート・インターロッキング・自然石
| 比較項目 | 土間コンクリート | 透水性インターロッキング | 自然石 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 比較的抑えやすい | 製品・下地で変動 | 石種・加工で高くなる場合 |
| 排水 | 勾配で表面排水 | 路盤・地盤条件により浸透 | 目地・施工方法による |
| 補修 | 跡が残る場合がある | 部分交換しやすい | 施工方法により再利用可能 |
| デザイン | シンプルで一体的 | 色・形・パターンが豊富 | 天然素材の個性が強い |
| 施工上の注意 | 天候・養生・ひび割れ | 路盤・転圧・目詰まり | 石種・厚み・滑り・下地 |
費用を比べる際は、舗装材の単価だけでなく、掘削、残土処分、路盤、排水、縁石、車止め、将来の補修まで含めて確認します。外構全体の予算配分は、新築外構工事の予算はどれくらい必要?2026年版も参考にしてください。

「すべての外構は仮設物」という考え方
私たちがつくっているものは、すべて仮設物なんだよ。
これはNEW’Sの木村社長から教わり、今も大切にしている言葉です。外構は何十年も使えるよう設計・施工します。それでも、いつか建物を建て替え、庭や駐車場をつくり直す日が来るかもしれません。
コンクリートは解体後に廃材として処理されることが一般的ですが、状態のよい自然石や移動できるインターロッキングなら、丁寧に取り外して次のアプローチや庭へ受け継げる可能性があります。古い庭の景石や石臼を、新しい庭の景色や水鉢として生かすこともできます。
完成した瞬間だけでなく、施工中から何十年も先まで考えて素材を選ぶ。施工品質の安定、補修のしやすさ、雨水、自然石の再利用は、すべてこの考え方につながっています。
駐車場は建物と街並みをつなぐ場所
駐車場は道路と建物の間にあり、外から最もよく見える場所の一つです。建物の外壁色と舗装材を合わせる、アプローチと目地の軸線をそろえる、石や植栽を重ねる。こうした設計で、駐車場は単なる車置き場ではなく、建築と庭をつなぐ外部空間になります。
複数棟の街並みで舗装材・寸法・植栽に共通のルールを持たせた事例は、公園の緑とつながる5棟の街並み|福岡市中央区をご覧ください。ピンコロ石、ボルケーノ平板、透水性インターロッキングを組み合わせています。
よくある質問
駐車場はコンクリート以外でもつくれますか?
はい。透水性インターロッキング、自然石、砂利などの選択肢があります。ただし、乗用車の荷重に対応した材料と、適切な路盤・排水設計が必要です。
透水性インターロッキングは駐車場に使えますか?
駐車場対応製品であれば使用できます。車両の重量、台数、使用頻度、地盤条件に応じて製品と舗装構成を決めます。
水たまりはできませんか?
適切に設計・施工され、透水機能が維持されていれば、不透水性舗装より水たまりを抑えられる場合があります。ただし、強い雨、地盤の透水能力、路盤、経年の目詰まりによっては発生します。
インターロッキングとコンクリートはどちらが安いですか?
一般的にはシンプルな土間コンクリートの方が初期費用を抑えやすい場合があります。製品、面積、施工パターン、路盤、排水によって変わるため、将来の部分補修まで含めて比較してください。
自然石の駐車場は長持ちしますか?
車両荷重に合う石種・厚み・下地・施工方法を選べば、長期間使用できる場合があります。すべての自然石が駐車場に適しているわけではないため、専門家による確認が必要です。
自然石やインターロッキングは再利用できますか?
状態と施工方法によっては可能です。将来の再利用を重視するなら、設計段階から取り外し方や固定方法を検討します。
まとめ|駐車場の素材から、これからの暮らしを考える
駐車場はコンクリート以外でもつくれます。透水性インターロッキングは品質の安定、部分補修、雨水、デザインの面で選択肢になり、自然石は建築との一体感、経年変化、再利用の可能性を持っています。
重要なのは、素材名だけで決めないことです。敷地の地盤・排水、車両荷重、建物との調和、初期費用、維持管理、何十年後の使い方まで考えて選びます。
暮らしの足元を整える。その仕事は、駐車場の一枚の舗装材を選ぶところから始まっています。
コンクリート以外の駐車場をご検討の方へ
NEW’Sでは、福岡を拠点に、建物・駐車場・アプローチ・庭・植栽を一体で計画しています。透水性インターロッキングや自然石が敷地に適するか、予算や排水計画を含めてご提案します。











