















福岡市中央区で、5棟並びの住宅街の外構・ランドスケープを設計施工しました。
今回の計画では、1棟あたりの敷地面積がそれほど広くない中で、駐車場やアプローチなど必要な機能を確保しながら、限られた空地をどこまで豊かな外部空間にできるかが大きなテーマでした。
また、5棟が連続する街並みとして統一感を持たせながら、それぞれの住宅にきちんと見せ場をつくること。さらに、室内から見える植栽と、敷地の目の前にある公園の緑が一体となって感じられる植栽計画をご要望いただきました。
限られた敷地を豊かに見せる外構計画
まず、アプローチや駐車スペースを必要最小限に整理し、それ以外の空地をできるだけ植栽や景石に使えるよう計画しました。
敷地が広くない場合、すべての場所に要素を詰め込むのではなく、視線が集まる場所に植物や素材を配置することで、実際の面積以上に奥行きや豊かさを感じられる外部空間をつくることができます。
5棟それぞれの間取りや窓の位置を確認し、建物の中から見たときに植物がどこに見えるかまで考えながら植栽位置を決めています。
5棟をつなぐ素材とモジュール
街並みに統一感を持たせるため、各棟で使用する素材にも共通のルールを設けました。
黒い甫田のピンコロ石、ボルケーノ平板、透水性インターロッキングなどを組み合わせ、それぞれの寸法や目地がきれいにつながるよう、モジュールを意識してデザインしています。
玄関ポーチからアプローチにかけても一体感を出すため、仕上げに使用する特殊塗料をアメリカから取り寄せ、施工方法まで含めて検討しました。
建物と外構を別々に考えるのではなく、玄関から道路までをひとつの空間として整えることで、建築と外部空間が自然につながるようにしています。
目隠しフェンスや機能門柱も建物に合わせて製作
専用庭部分には、既製品だけに頼らず、空間に合わせた目隠しフェンスを製作しました。
できるだけ線を少なくしたミニマルなデザインとし、必要な場所だけ視線を遮ることで、限られた庭を狭く感じさせないようにしています。
機能門柱についても、建物の色や素材とのバランスを考えながら塗装を調整し、外構だけが目立つことのないようデザインしました。
雨水処理も景観の一部としてデザイン
くさり樋から落ちる雨水は、そのまま排水設備として見せるのではなく、下部に景石を配置して水を受ける計画としました。
その景石だけが唐突に見えないよう、周囲にも自然な流れで石を配置しています。
排水という機能を単独で処理するのではなく、庭の景色の一部として取り込むことで、日常の中に自然を感じられる外部空間を目指しました。
公園の緑とつながる植栽計画
植栽には、ヤマボウシ、アオダモ、イロハモミジ、ソヨゴなどの高木を中心に、高木・中木をバランスよく配置しています。
5棟それぞれに植物を配置しながらも、一本一本を独立して見せるのではなく、街全体に緑の軸が通るよう植栽計画を行いました。
さらに、敷地内の植物だけで景色を完結させず、目の前にある公園の緑を背景として取り込むことで、室内から見たときには自分の庭と公園の緑が連続して見えるよう計画しています。
限られた敷地であっても、敷地の外にある景色まで設計に取り込むことで、実際の庭以上の広がりを感じることができます。
統一感の中に、それぞれの個性がある街並みへ
5棟すべてを同じデザインにするのではなく、素材や植栽、寸法に共通するルールを持たせながら、それぞれの建物に合わせて見せ場をつくりました。
ピンコロ石、平板、透水性インターロッキング、造作フェンス、景石、植栽。細かな素材や納まりまで一つずつ選定することで、建物のデザインを引き立てながら、5棟全体ではひとつの街並みとして感じられる外部空間になりました。
NEW’Sでは、外構だけを単独で考えるのではなく、建物の形や窓の位置、室内からの見え方、周辺環境まで読み取りながら外部空間を設計しています。
今回のような複数棟の街づくりでも、建物と外構、植栽、そして周辺の緑までを一体として考えることで、時間とともにさらに魅力が増していく街並みを目指しています。












