福岡県糟屋郡 N様邸の新築外構・庭づくりを設計施工しました。
N様邸の大きな特徴は、道路側に面して設けられた、吹き抜け上下の大きな窓です。
室内にたっぷりと光を取り込み、開放感のあるリビングをつくる一方で、道路と建物との距離が近いため、外からの視線をどのように遮りながら、この大きな窓を活かすかが外構計画の重要なポイントとなりました。
目隠しだけではなく、玄関までのアプローチ、植栽、駐車場、カーポートまで含め、建物と外構をひとつのデザインとして計画しています。










複数の外構会社に相談しても、納得できる提案に出会えなかった
N様は外構計画を進めるにあたり、複数の外構会社へ相談されていました。
しかし、「大きな窓の目隠しをどうするのか」「植物をどこに配置するのか」「玄関までのアプローチをどうつくるのか」といった課題をまとめて解決できる提案になかなか出会えなかったそうです。
相談した会社から十分な提案を受けられなかったり、連絡が途絶えてしまったりしたこともあり、最終的には、完成後の姿をCGパースで具体的に確認しながら、しっかりと外部空間全体を計画してくれる会社を探されていました。
そこでNEW’Sへご相談いただき、新築外構の計画がスタートしました。
大きな窓を「隠す」のではなく、外構によって活かす
今回、私たちが最初に考えたのは、「道路から見えないようにすること」だけを目的にしないこと。
せっかく建物に設けられた、吹き抜け上下の大きな窓です。
高いフェンスなどで単純に塞いでしまうのではなく、必要な視線を遮りながら、室内からは植物や季節の変化を楽しめる場所にできないかと考えました。
建物、目隠し、植栽を別々に考えるのではなく、ひとつの風景として外部空間を組み立てています。
建物の黒を外構へつなげた目隠し壁
建物は、黒を基調としたシャープな外観です。
そこで道路側の目隠しには、建物と同じ黒を基調とした塗装仕上げの壁を計画しました。
建物とまったく関係のない色や素材で目隠しをつくるのではなく、建築の色や水平ラインを外部空間へつなげることで、建物と外構に一体感を持たせています。
目隠し壁は単なる視線対策ではありません。建物のデザインを外へ延長し、住まい全体の印象を整える外構の一部として考えています。
目隠し壁を道路から20cm下げ、植栽で圧迫感をやわらげる
道路沿いに高さのある壁をつくる場合、注意したいのが圧迫感です。
特に黒い壁は存在感が強く、道路際いっぱいに配置すると、外から見たときに閉鎖的な印象になってしまうことがあります。
そこでN様邸では、目隠し壁を道路境界から約20cmセットバックしました。
生まれたわずかなスペースを植栽帯として利用し、壁の手前に植物を配置しています。
道路と壁の間に植物という柔らかな層をひとつ加えることで、黒い壁の存在感を和らげながら、外観に奥行きをつくりました。
目隠しを考えるときに大切なのは、高さだけではありません。壁までの距離、植物との重なり、室内と道路それぞれからの見え方まで考えることで、プライバシーと外観の美しさを両立しやすくなります。
目隠し計画の基本は、リビングのプライバシーを守る外構設計のポイントでも詳しく解説しています。
吹き抜けの大きな窓に合わせて、約6mのアオダモを植栽
目隠し壁の内側、吹き抜けの大きな窓の前には、シンボルツリーとして高さ約6mのアオダモを植えました。
2階まで続く大きな窓に対して、小さな木を配置しても建物とのスケールが合いません。
そこで建物の高さや窓の大きさとのバランスを考え、大きな樹形のアオダモを選んでいます。
道路側から見ると、黒い建物と目隠し壁の前にアオダモの枝葉が重なり、建築の硬さを植物がやわらげてくれます。
反対に室内から見ると、大きな窓いっぱいにアオダモの枝葉が広がります。
春の芽吹き、夏の緑、秋の紅葉、そして冬の繊細な枝姿。
道路からの視線を遮るためだけの外構ではなく、大きな窓を四季の変化を楽しむための窓へ変えていくことも、今回の植栽計画で大切にしたポイントです。
アオダモを中心に、植栽を敷地全体へつなげる
植栽はシンボルツリーだけで完結させていません。
アオダモを中心に、コハウチワカエデ、ドウダンツツジ、ナツハゼなどの落葉樹を配置。
常緑樹にはナナミ、ヒゼンマユミ、ハイノキなどを取り入れています。
さらにアプローチにも植物を点在させ、玄関へ向かって緑が連続するように計画しました。
もうひとつの大きなポイントとしてコハウチワカエデを配置し、アオダモ一辺倒にならないよう樹形や葉の表情にも変化をつけています。
一か所だけに植物をまとめるのではなく、建物・目隠し壁・アプローチ・駐車場の間に植物を配置することで、敷地全体をひとつの風景としてつなげています。
建物の水平ラインに合わせたYKK APのプレーンルーフ
カーポートには、フラットな屋根が特徴のYKK AP プレーンルーフ2台用を採用しました。
今回の建物は、黒を基調とした直線的でシャープなデザインです。
そのため、カーポートだけが住宅とは異なる印象にならないよう、できるだけシンプルで水平ラインの美しいものを選びました。
カーポートは外構の中でも面積が大きく、道路から見たときの印象を大きく左右します。
機能だけで商品を選ぶのではなく、建物の形、色、ラインとの相性まで考えて選ぶことが、外構全体の統一感につながります。
浮かせたコンクリート平板で玄関へ導くアプローチ
玄関ポーチは、シンプルなモルタル仕上げです。
その素材感を外構へつなげるため、アプローチにはコンクリート平板を採用しました。
平板をただ並べるのではなく、段差部分では浮いているように見える階段として構成。
玄関へ向かう動線に陰影と立体感をつくり、シンプルな素材でも印象に残るアプローチにしています。
駐車場には透水インターロッキングや植生ブロックを使用し、コンクリートだけで敷地全体を覆わない計画としました。
建物のシャープなデザインを受け継ぎながらも、植栽や舗装の表情を加えることで、硬くなりすぎない外部空間に仕上げています。
目隠し・植栽・アプローチを別々に考えない
N様邸の外構で大切にしたのは、一つひとつの問題を別々に解決しないことでした。
道路からリビングが見えるから、目隠し壁をつくる。玄関まで歩くために、アプローチをつくる。車を停めるために、カーポートをつける。
それだけでは、外構全体がバラバラになってしまうことがあります。
今回の計画では、建物の黒を目隠し壁へつなぎ、建築の水平ラインをカーポートへつなぎ、玄関ポーチの素材感をアプローチへつなげました。
さらに、吹き抜けの大きな窓を基準に約6mのアオダモを配置し、その緑をアプローチや敷地全体へ広げています。
建物から読み取った色・線・素材・窓の位置を、壁・植栽・舗装・カーポートへ翻訳していく。
そうすることで、外構を後から付け加えたものではなく、建物と庭が最初からひとつだったような住まいへ整えていきました。
福岡県糟屋郡で新築外構・目隠し・庭づくりをご検討の方へ
道路に面して大きなリビング窓がある場合、単純に高い目隠しフェンスや壁を設置すればよいとは限りません。
道路と建物の距離、室内の床の高さ、窓の位置、歩行者からの視線、植栽の高さ、そして室内から何が見えるのか。
こうした条件を一つずつ読み取りながら計画することで、プライバシーを確保しながら、開放感や植物のある景色を残すことができます。
NEW’Sでは、建物と外構を別々に考えるのではなく、建築・庭・植物、そしてそこで過ごす人の暮らしまでをひとつの外部空間として考えることを大切にしています。
目隠しのために閉じるのではなく、その場所だからこそ生まれる景色をつくる。
暮らしの足元を整えながら、年月とともに植物が育ち、建物と庭が少しずつその土地の風景になっていく。
N様邸は、そんなNEW’Sの庭づくりを形にした新築外構となりました。
使用部材
- 透水インターロッキング
- 植生ブロック
- コンクリート平板
- CB積み・壁面塗装仕上げ
- YKK AP プレーンルーフ 2台用
使用植栽
落葉樹
アオダモ/コハウチワカエデ/ドウダンツツジ/ナツハゼ
常緑樹
ナナミ/ヒゼンマユミ/ハイノキ
道路に面した大きな窓の目隠しについてよくある質問
道路に面した大きな窓は、どのように目隠ししますか?
歩行者の目線、道路と室内床の高さ、窓までの距離を確認し、必要な範囲だけを壁や植栽で遮ります。窓全体を塞がず、室内からの景色と採光も一緒に計画します。
黒い目隠し壁の圧迫感を減らす方法はありますか?
道路境界から少し下げて壁の前に植栽帯をつくると、植物が壁の存在感をやわらげ、奥行きが生まれます。壁の高さや長さも必要最小限に整えます。
大きな窓の前に植える樹木の高さはどう決めますか?
窓と建物のスケール、遮りたい視線の高さ、室内から見せたい枝葉の位置を基準に決めます。N様邸では吹き抜け窓とのバランスから約6mのアオダモを選びました。
夜の見え方については、夜になるとリビングが丸見え?外からの視線を遮る目隠しと庭の照明計画をご覧ください。














