結論:広い敷地の外構は、すべてを一続きにするのでも、用途ごとに完全に分断するのでもなく、駐車場・アプローチ・庭を適切に区切りながら、軸線・素材・植栽を繰り返してつなげることが大切です。
福岡県飯塚市のお客様邸の外構・庭を設計施工しました。今回の大きなテーマは、広い敷地の中で、駐車場・アプローチ・庭をどのように区切り、ひとつの外部空間としてまとめるかということでした。
お客様は他社からも外構提案を受けられていましたが、広い敷地の使い方や庭・駐車場・アプローチの境界が明確にならず、納得できる計画に出会えなかったそうです。そこでNEW’Sでは、広さをそのまま見せるのではなく、「区切りながら、つなげる」という考え方を軸に外部空間全体を計画しました。
福岡県飯塚市 お客様邸の外構・庭づくり概要
| 施工場所 | 福岡県飯塚市 |
|---|---|
| 外構の課題 | 広い敷地の中で駐車場・アプローチ・庭を整理し、一体感をつくること |
| 設計の考え方 | ゲートやスクリーンで区切り、軸線・共通素材・植栽でつなげる |
| 主な素材 | ボルケーノ平板・板石、透水性インターロッキング、スクリーンレンガ・ブロック |
| 主な植栽 | ヤマボウシ、アオダモ、イロハモミジ、ハイノキ、ソヨゴ、常緑ヤマボウシ、トキワマンサク |
この施工例の3つのポイント
- 造作電動開き戸と門扉で、車と人の入口を分けて動線を整理
- スクリーンレンガで和室の庭とアプローチを緩やかに区切る
- アプローチの軸線、共通素材、植栽によって敷地全体をつなぐ


車と人の入口を分け、エントランスに最初の区切りをつくる
広い敷地では、道路から駐車場や庭までが一続きになっていると、どこからが住まいの空間なのかが曖昧になりやすくなります。
そこで車の入口には造作の電動開き戸、人の入口には門扉を設け、それぞれの動線を整理しました。一度ここで空間を区切ることで、道路側から住まいへ入ったときに、エントランスとしての明確な境界が生まれます。
閉じることだけを目的とするのではなく、外から住まいへと気持ちを切り替える場所として入口をつくっています。

スクリーンレンガで、和室の庭とアプローチを緩やかに分ける
エントランスから続くアプローチと和室の間には、スクリーンレンガとスクリーンブロックを配置しました。完全な壁で閉じるのではなく、適度な抜けを持たせることで、空間を分けながらも光や気配を感じられるようにしています。
その内側には、和室から眺めるための庭を計画。アプローチを歩く人の動線と、室内から庭を眺める場所を緩やかに分けることで、それぞれの空間に落ち着きを持たせています。


アプローチの直線を、そのまま庭へつなげる
アプローチには、1000×500mmのボルケーノ板石を使用しています。玄関まで歩くためだけの通路にせず、建物へ向かって伸びる直線を玄関付近で終わらせず、その軸線をそのまま庭へと延長しました。
直線の先には飛び石を配置し、ポイントとなる場所にシンボルツリーのヤマボウシを植えています。アプローチと庭を一本の線でつなぐことで、広い敷地の中にも自然な視線の流れが生まれます。


同じ素材を繰り返し、離れた空間につながりをつくる
駐車場には、ボルケーノ平板と透水性インターロッキングを組み合わせました。さらに、アプローチで使用したボルケーノの素材感を、リビング前の庭や2階バルコニーにも取り入れています。
場所ごとに別の素材を選ぶのではなく、同じ素材を離れた場所で繰り返すことで、視覚的なつながりをつくるという考え方です。駐車場、アプローチ、和室の庭、リビングの庭、2階バルコニーは用途も高さも異なりますが、共通する素材やラインによって住まい全体をひとつの外部空間としてまとめています。


落葉樹と常緑樹を組み合わせ、季節と緑の骨格をつくる
落葉樹には、ヤマボウシ・アオダモ・イロハモミジを採用しました。春の芽吹き、夏の木陰、秋の紅葉、冬の枝姿と、一年を通して季節の変化を感じられます。
常緑樹には、ハイノキ・ソヨゴ・常緑ヤマボウシ・トキワマンサクを使用。一年を通して緑を残す常緑樹をポイントに配置することで、落葉樹の葉が落ちる冬にも庭の骨格が残るように計画しています。
広い庭だからといって植物をただ多く植えるのではなく、室内から見える位置、アプローチを歩いたときの視線、建物とのバランスを考えながら、一本一本の役割を決めています。


広い敷地だからこそ、「区切ること」と「つなげること」を考える
広い敷地は自由度が高い一方、駐車場・アプローチ・庭を単独で考えると、それぞれがバラバラになりやすくなります。今回の計画では、次の異なる方法を組み合わせて敷地全体を整理しました。
- ゲートや門扉で区切る
- スクリーンレンガで緩やかに分ける
- アプローチの直線でつなぐ
- 同じ素材を繰り返してつなぐ
- 植物によって景色をつなぐ
すべてをひとつにつなげるのでも、すべてを分けるのでもありません。必要な場所には境界をつくり、その境界を越えて線・素材・植物がつながっていく。それによって駐車場もアプローチも庭も、それぞれに役割を持ちながら、ひとつの住まいの風景になります。

主な使用素材・仕様
駐車場
ボルケーノ平板+透水性インターロッキング
アプローチ
ボルケーノ板石 1000×500mm
目隠し・スクリーン
スクリーンレンガ+スクリーンブロック
エントランス
造作電動開き戸+門扉
落葉樹
ヤマボウシ/アオダモ/イロハモミジ
常緑樹
ハイノキ/ソヨゴ/常緑ヤマボウシ/トキワマンサク
広い敷地の外構・庭づくりでよくある質問
Q. 広い敷地の外構は、どこから計画すればよいですか?
最初に車と人の動線、駐車台数、玄関までのアプローチ、室内から見える庭を整理します。そのうえで、区切る場所と共通の軸線を決めると、敷地全体をまとめやすくなります。
Q. 駐車場と庭を自然につなげる方法はありますか?
舗装材の一部をアプローチや庭でも繰り返し、植栽を境界付近に配置すると、用途を分けながら一体感をつくれます。今回の施工例では、ボルケーノの素材感を複数の場所で共有しています。
Q. 広い庭には植物を多く植えた方がよいですか?
本数よりも、室内やアプローチからの見え方と一本ごとの役割が重要です。落葉樹で季節感をつくり、常緑樹で冬の骨格や必要な目隠しを補うと、管理と景観のバランスを取りやすくなります。
外構計画の進め方や費用、施工事例をまとめて確認したい方は、施工事例・悩み別実例集と新築外構を考える前に知っておきたいこともご覧ください。使用した樹木は樹木図鑑から詳しく確認できます。












