雨の日の玄関アプローチや駐車場では、舗装の滑りやすさが気になるものです。特に小さなお子様や高齢のご家族がいるご家庭では、濡れた床による転倒をできるだけ防ぎたいと考える方も多いのではないでしょうか。
雨の日に滑りにくい舗装を選ぶためには、表面に適度な凹凸があり、水が溜まりにくい素材を選ぶことが大切です。代表的な素材には、刷毛引き仕上げのコンクリート、屋外用のノンスリップタイル、表面に凹凸のある自然石、水を地面に浸透させる透水性インターロッキングなどがあります。
ただし、「滑りにくい素材を選べば絶対に安全」というわけではありません。素材の表面だけでなく、舗装の勾配や排水計画、日頃の清掃まで含めて考えることで、雨の日にも歩きやすい外部空間になります。

なぜ雨の日の舗装は滑りやすくなるのか
舗装が滑りやすくなる主な原因は、床の表面と靴底の間に水が入り、摩擦が小さくなることです。表面が平滑な素材ほど、水に濡れたときに靴底が滑りやすくなる傾向があります。
反対に、表面に細かな凹凸や溝がある舗装は、その凹凸が靴底に引っ掛かり、グリップが生まれます。雨の日に滑りにくい舗装をつくるためには、表面に適度な凹凸があること、舗装の上に水が溜まりにくいこと、苔や汚れが付着しにくく清掃しやすいことが重要です。
コンクリートは刷毛引き仕上げが滑りにくい
駐車場や玄関アプローチで多く使われる素材が、土間コンクリートです。コンクリートの仕上げ方には、大きく分けて「金ゴテ仕上げ」と「刷毛引き仕上げ」があります。
金ゴテ仕上げ
金ゴテ仕上げは、コテを使って表面をなめらかに整える方法です。仕上がりがすっきりとしており、見た目がきれいなのが特徴です。一方で、表面が比較的平滑になるため、雨に濡れた場合は刷毛引き仕上げよりも滑りやすく感じることがあります。
刷毛引き仕上げ
刷毛引き仕上げは、コンクリートが固まる前に刷毛を引き、表面に細かな筋をつける方法です。この細かな筋が靴底に対するグリップとなり、雨の日でも滑りにくくなります。
高齢の方が歩く玄関アプローチや、傾斜のある通路、屋根のない場所などでは、刷毛引き仕上げを採用することが多くあります。見た目の均一さや清掃のしやすさでは金ゴテ仕上げにメリットがありますが、雨の日の歩きやすさを優先する場合は、刷毛引き仕上げが有効な選択肢です。

タイルは屋外用のノンスリップタイプを選ぶ
タイルは、玄関ポーチやタイルテラス、アプローチなどで使われることの多い素材です。現在は、屋外用として表面に細かな凹凸を設けたノンスリップタイプのタイルが数多く販売されています。
タイルの表面にある凹凸が靴底を捉えるため、一般的な平滑タイルよりも滑りにくくなります。ただし、ノンスリップタイルであれば、どの商品でも同じ性能というわけではありません。
タイルを選ぶときは、屋外床に使用できる商品か、雨に濡れる場所に対応しているか、表面に適度な凹凸があるか、清掃やメンテナンスがしやすいかを確認することが重要です。
凹凸が強いタイルは滑りにくくなる一方で、汚れが入り込みやすく、雑巾やモップが引っ掛かりやすいことがあります。デザインだけで決めるのではなく、使用する場所に適した性能を持っているかを確認しましょう。
自然石は表面仕上げによって滑りやすさが変わる
自然石は、もともと表面に不規則な凹凸があるものが多く、比較的グリップを得やすい舗装材です。石ならではの質感や色の違いがあり、建物や植栽とも調和しやすいため、玄関アプローチや庭の園路に適しています。
ただし、自然石であればすべて滑りにくいとは限りません。表面を磨いた石材は平滑になり、雨に濡れると滑りやすくなる場合があります。屋外で使う場合は、割肌仕上げやバーナー仕上げなど、表面に適度な凹凸が残る仕上げを選ぶことが大切です。
また、自然石は人があまり歩かない場所や日当たりの悪い場所では、苔や藻が付着することがあります。苔や藻が付くと、もともと凹凸のある石でも滑りやすくなります。定期的な清掃や、風通し、日当たりを考えた計画が必要です。

透水性インターロッキングは水が溜まりにくい
ニューズが工場と共同開発している透水性インターロッキングは、雨水を舗装の内部から地面へ浸透させる舗装材です。
一般的なコンクリート舗装では、雨水を舗装の表面に流して排水します。一方、透水性インターロッキングは、雨水を舗装材と下地に浸透させるため、表面に水が溜まりにくくなります。
さらに、表面が砂利を固めたような質感になっているため、細かな凹凸によるグリップがあります。つまり、透水性インターロッキングには、表面に凹凸があり靴底がグリップしやすいことと、雨水が浸透するため表面に水が残りにくいことの、2つの特徴があります。
玄関アプローチや駐車場など、雨に濡れる面積が大きい場所では、水の流れや水溜まりを抑えやすいことも大きなメリットです。ただし、透水性舗装の性能を発揮させるためには、舗装材だけでなく、下地まで含めた適切な施工が必要です。

滑りにくい舗装でも勾配と排水計画が重要
舗装材そのものが滑りにくくても、施工方法に問題があれば、安全で歩きやすい空間にはなりません。特に重要なのが、舗装の勾配と雨水の排水計画です。
舗装の上に水が溜まると、滑りやすくなるだけでなく、汚れや苔が発生する原因にもなります。玄関アプローチや駐車場を計画するときは、雨水がどこから入り、どの方向へ流れ、最終的にどこへ排水されるのかを考える必要があります。
道路と玄関に高低差がある場合は、必要以上に急な勾配をつくらないことも大切です。高齢の方が利用する場合には、歩く場所の勾配をできるだけ緩やかにする、段差を少なくする、必要に応じて手すりを設置する、夜間でも足元が見えるように照明を設けるといった計画も合わせて検討します。
安全性は、ひとつの商品だけで決まるものではありません。素材、形状、勾配、排水、照明を一体で計画することが重要です。

滑りにくさを保つには定期的な清掃も必要
どの舗装材を使った場合でも、時間が経つと土や砂、落ち葉、苔などが付着します。特に、北側や建物の影になる場所、植物に囲まれた湿気の多い場所では、苔や藻が発生しやすくなります。
滑りにくい素材を選んでいても、表面が苔で覆われれば滑りやすくなってしまいます。ほうきで砂や落ち葉を取り除き、必要に応じてブラシなどで表面を清掃することが大切です。
舗装を選ぶ段階で、将来の清掃方法や管理のしやすさまで確認しておくと、きれいで安全な状態を保ちやすくなります。
雨の日に滑りにくい舗装の選び方
雨の日に困らない舗装を選ぶときは、滑りにくさだけで判断するのではなく、歩く人、使用する場所、建物のデザイン、雨水の流れ、将来の清掃性を総合的に考えることが大切です。
高齢の方や小さなお子様が利用する場合は、見た目よりも歩きやすさや段差の少なさを優先します。玄関アプローチ、駐車場、タイルテラス、勝手口など、場所によって必要な性能は異なります。
また、安全性が高くても、建物と素材の雰囲気が大きく異なると、外部空間全体がまとまりにくくなります。色、形、大きさ、質感を建物と合わせて選びましょう。
写真だけでは、素材の凹凸や歩いたときの感覚までは分かりません。可能であれば、実物のサンプルを見て、表面を触り、濡れたときの使用条件も想像しながら選ぶことをおすすめします。
よくある質問
雨の日に最も滑りにくい舗装材は何ですか?
使用する場所や施工条件によって異なるため、ひとつの素材だけを最も滑りにくいと断定することはできません。一般的には、表面に凹凸のある刷毛引きコンクリート、屋外用ノンスリップタイル、割肌の自然石、透水性インターロッキングなどが候補になります。
ノンスリップタイルなら絶対に滑りませんか?
ノンスリップという名称であっても、絶対に滑らないわけではありません。泥や苔、油分などが付着すれば滑りやすくなることがあります。使用場所に適した商品を選び、定期的に清掃することが必要です。
コンクリートは金ゴテと刷毛引きのどちらがよいですか?
見た目の滑らかさや清掃性を重視する場合は金ゴテ仕上げ、雨の日の歩きやすさを重視する場合は刷毛引き仕上げが向いています。玄関アプローチや傾斜のある場所では、刷毛引き仕上げを選ぶことが多くあります。
自然石は苔が生えると滑りますか?
自然石に苔や藻が付着すると、滑りやすくなることがあります。日当たりや風通しの悪い場所では特に注意が必要です。定期的な清掃と、雨水が滞留しない計画が大切です。
まとめ|素材と排水を一緒に考えることが大切
雨の日に滑りにくい舗装をつくるためには、表面に適度な凹凸があり、水が溜まりにくい素材を選ぶことが基本です。刷毛引きコンクリート、屋外用ノンスリップタイル、自然石、透水性インターロッキングには、それぞれ異なる特徴があります。
しかし、舗装材だけで安全性が決まるわけではありません。舗装の勾配、段差、雨水の排水、日当たり、清掃方法まで含めて計画することで、雨の日にも安心して歩ける外部空間になります。
ニューズでは、建物のデザインやご家族の暮らし方だけでなく、雨の日の歩きやすさや将来の管理まで考えながら、アウテリアの素材をご提案しています。毎日使う玄関アプローチや駐車場だからこそ、見た目だけではなく、長く安心して使える舗装を選ぶことが大切です。












