
福岡県北九州市 城野宿泊展示場
福岡県北九州市の城野宿泊展示場の外構・庭を設計しました。
今回の計画で大きなテーマとなったのは、道路に面した駐車場と庭をどのように区切りながら、展示場全体を心地よい外部空間としてつなげていくかということでした。
建物のリビングには大きな掃き出し窓があり、室内からそのまま庭へ出られる間取りになっています。
一方で、庭の向こう側には道路や遊歩道があるため、外からの視線にも配慮する必要がありました。
完全に閉じてしまうのではなく、緑や木製フェンスを使いながら視線をやわらかく遮り、室内から見ても外から見ても心地よい景色になることを目指しました。
駐車場と庭の境界を「緑」でつくる
道路に面したエントランス周辺には、低木から高木までを組み合わせた厚みのある植栽帯を設けました。
単に駐車場と庭をフェンスで仕切るのではなく、植物を幾層にも重ねることで、道路側から見たときにも建物が緑の中に自然に溶け込むようにしています。
植栽の一部にはエントランスへと続くアプローチ動線を通し、緑の中を抜けながら玄関へ向かう構成としました。
駐車場の奥にも植栽を配置することで、駐車スペースと庭の境界をやわらかくつくっています。
明確に「ここからが庭」と線を引くのではなく、植物を介して少しずつ空間の性格を変えていくことで、駐車場・アプローチ・庭がひとつの外部空間としてつながっていきます。





リビング前の庭は、木製フェンスでやさしく目隠し
リビングの掃き出し窓から続く庭は、道路の反対側にある遊歩道からも見える位置にあります。
そこで遊歩道側には、高さ約1,400mmの木製フェンスを設けました。
目隠しを目的として高い壁で完全に閉ざすのではなく、木製フェンスによって視線を適度に遮りながら、光や風、周囲の気配を感じられる程度の抜けを残しています。
フェンスの途中にはゲートを設け、庭から遊歩道へ直接出入りできるようにしました。庭を眺めるだけの場所にするのではなく、人が実際に外へ出て、歩き、植物に触れられる場所として計画しています。
さらに遊歩道側にも植栽を重ねることで、木製フェンスだけが目立たないようにしています。フェンス、樹木、低木が一体となって視線を受け止めることで自然な目隠しとなり、リビングから見える景色にも奥行きが生まれました。
目隠しの高さや視線の考え方は、リビングのプライバシーを守る外構設計でも詳しく解説しています。
リビングと庭をつなぐ木製デッキ
リビングの掃き出し窓の先には木製デッキを配置しました。室内から庭へ出るための中間領域をつくることで、リビングと庭との距離を近づけています。
窓の外に単純な地面が広がるのではなく、リビング → 木製デッキ → 植栽 → 木製フェンス → 遊歩道というように、いくつもの層をつくることで、室内から見たときにも奥行きのある庭の景色になります。
外部からの視線を遮ることだけを考えるのではなく、室内から「何が見えるか」まで考えることが、心地よい目隠し計画には重要だと私たちは考えています。
駐車場には透水インターロッキングを採用
駐車場の舗装には、透水性のあるインターロッキングを使用しています。一般的なコンクリート舗装だけで仕上げるのではなく、舗装材の表情を加えることで、広い駐車スペースの印象をやわらげました。
雨水を地中へ浸透させやすいという機能面に加え、植栽との相性も良く、建物・駐車場・庭を自然につなぐ素材として採用しています。
アプローチにはコンクリート平板を使用し、駐車場とは素材を切り替えることで、玄関へ向かう人の動線をわかりやすくしています。


四季の変化を感じられる植栽計画
植栽には、アオダモ、イロハモミジ、ソヨゴ、十月桜、ドウダンツツジ、ヒラドツツジ、ハイノキ、アラカシ、ヤマテラシ、常緑モミジなどを組み合わせました。
一本のシンボルツリーだけに頼るのではなく、高木・中木・低木を重ねることで、自然の中にあるような厚みのある緑をつくっています。
春には新芽や花が現れ、夏には木陰が生まれ、秋には紅葉し、冬には枝の表情が現れる。季節によって少しずつ変化する植物の姿が、展示場を訪れるたびに違った景色を見せてくれます。
目隠しとしての役割だけではなく、季節の移ろいを暮らしの中に取り入れることも、植栽を使う大きな意味のひとつです。
建物と道路の間に、もうひとつの風景をつくる
今回の外構では、駐車場、アプローチ、庭、遊歩道という異なる用途の空間を、壁で明確に分断するのではなく、植栽や木製フェンスを使って緩やかにつなげました。
道路から建物を見ると、手前には植物の層があり、その奥に建築が見える。リビングから外を見ると、木製デッキの先に庭の緑があり、その向こうに木製フェンスと植栽が重なっています。
外構は、建物の周りに物を配置するだけではありません。
建物と道路の間にどのような風景をつくるのか。
室内から外を見たとき、どのような時間を過ごせるのか。
そこまで考えて外部空間を整えることで、庭は暮らしの一部になっていきます。
ニューズでは、建物のデザインや窓の位置、道路との関係、駐車計画、周囲からの視線まで読み取りながら、建築と庭が自然につながる外構・庭づくりをご提案しています。
使用部材
| 駐車場 | 透水インターロッキング |
|---|---|
| アプローチ | コンクリート平板 |
| デッキ | エコアコールウッド 木製デッキ |
| フェンス | エコアコールウッド 木製フェンス(高さ約1,400mm) |
使用植物
アオダモ/イロハモミジ/ソヨゴ/十月桜/ドウダンツツジ/ヒラドツツジ/ハイノキ/アラカシ/ヤマテラシ/常緑モミジ
よくある質問
駐車場と庭を自然に区切るには、どのような方法がありますか?
フェンスだけで明確に分断せず、高木・中木・低木を重ねた植栽帯を設けると、視線をやわらかく遮りながら駐車場・アプローチ・庭を自然につなげられます。
リビング前の目隠しフェンスは、どのくらいの高さが必要ですか?
必要な高さは室内の床高、窓の位置、道路や隣地からの視線によって変わります。この施工例では高さ約1,400mmの木製フェンスと植栽を組み合わせ、光や風を通しながら視線を調整しました。
透水インターロッキングを駐車場に使うメリットは何ですか?
雨水を地中へ浸透させやすく、広い駐車場の印象を舗装材の表情でやわらげられます。植栽とも調和しやすく、建物・駐車場・庭を一体的に見せる素材です。
















