建物の完成イメージはある程度固まっていたものの、お庭や外構については、どのような空間にしたいのかまだはっきりしていなかったS様。当初は、敷地内に木を一本も植えない予定だったそうです。
しかし、ニューズが手がけた施工例をご覧になったことをきっかけに、植物のある外部空間の心地よさを感じていただき、「自分たちの家にも植物をたくさん取り入れたい」と考えられるようになりました。
リビングの窓から見える山々の景色も大切にしたいというご要望があり、周囲の自然とのつながりを残しながら、室内からの眺めをより豊かにする新築外構として計画しています。

お客様と一緒に選んだ、思い入れのある植物
植栽計画では、私たちが一方的に樹種を決めるのではなく、お客様と一緒に植物を見ながら、気に入った木を選んでいただきました。
植物の樹形や葉の表情、季節ごとの変化を実際に確認しながら選ぶことで、一つひとつの木に思い入れが生まれます。
アオダモ、イロハモミジ、コハウチワカエデ、十月桜、ソヨゴなど、落葉樹と常緑樹をバランスよく組み合わせました。春の芽吹きや花、夏の木陰、秋の紅葉、冬の枝姿まで、一年を通して季節の移ろいを感じられる植栽計画です。

短いアプローチに、奥行きと季節感をつくる
道路から玄関までの距離が短かったため、単純に直線でつなぐだけでは、玄関前が平面的で単調な印象になってしまいます。
そこで、コンクリート平板を使ってアプローチを構成し、その周囲に高木や低木を配置しました。床のラインと植物を重ねることで、限られた距離の中にも奥行きが生まれます。
玄関へ向かう短い動線が、植物の間を抜けながら季節を感じるアプローチになりました。植物の幹や枝葉が建物の外壁の前に重なることで、建物の表情をやわらげ、道路から見た外観にも自然な立体感を与えています。
アプローチと坪庭を、一つの風景としてつなぐ
玄関を入った正面にはFIX窓があり、その窓の先には坪庭のような植栽スペースがあります。
この坪庭は室内から見えるだけでなく、道路側からも視線が抜ける場所でした。そのため、アプローチの植栽と坪庭の植栽を別々に考えるのではなく、重なり合う一つの風景として計画しています。
道路から見ると、手前のアプローチ植栽の奥に坪庭の緑が重なり、実際の敷地以上の奥行きを感じられます。室内では、FIX窓が一枚の額縁のようになり、外の植物を切り取ります。

山々の景色と庭をつなぐ
リビングから見える山々の風景を遮るのではなく、庭の植栽を通して、その景色へ自然に視線がつながるように計画しました。
近くにある庭木、その先に広がる街並み、さらに遠くに見える山々。近景・中景・遠景が重なることで、窓から見える景色に奥行きが生まれます。
庭を敷地の中だけで完結させるのではなく、周囲にある自然の風景も庭の一部として取り込む。S様邸では、もともとあった環境の魅力を活かしながら、建物と庭、そして遠くの山々をつなげています。

天然木のウッドデッキがつなぐ、室内と庭
リビングの外には、エコアコールウッドを使用したウッドデッキを設けました。
天然木ならではのやわらかな質感は、室内と植栽の間を自然につなぎます。窓を開けて気軽に外へ出たり、腰を掛けて庭を眺めたりと、植物を「見る」だけではなく、日々の暮らしの中で身近に感じられる場所です。
庭木が成長し、枝葉がデッキの周囲を包むようになることで、時間とともにさらに落ち着きのある外部空間へ育っていきます。

植物を植えない計画から、植物と暮らす庭へ
当初は、木を一本も植える予定ではなかったS様邸。実際の施工例をご覧になり、植物を選び、庭が完成していく過程を通して、植物のある暮らしへと考え方が変化していきました。
外構や庭のイメージがはっきりしていなくても、好きな建物や景色、室内から何を見たいのかを一つずつ整理していくことで、そのご家族に合った外部空間が見えてきます。
アプローチ、坪庭、ウッドデッキ、リビングから見える山々。それぞれの場所を植物によってつなぐことで、建物の内と外、そして周辺の自然が一体となった庭が完成しました。

使用素材・植栽
床・外構素材
- コンクリート平板
- 植生ブロック「リリオ」
- エコアコールウッド製ウッドデッキ
主な植栽
- アオダモ
- イロハモミジ
- コハウチワカエデ
- 十月桜
- ソヨゴ
- ヤマテラシ
- ヒサカキ
- 低木・下草類
施工概要
- 所在地:福岡県福岡市東区
- 工事内容:新築外構、アプローチ、植栽工事、坪庭、ウッドデッキ、駐車場
- 設計・施工:株式会社ニューズ














