アウテリアとは、建物の中と外をつなぎ、外構、庭、植物、地域の風景、暮らしの機能までを一体として考える外部空間のデザインです。
これは一般的な工事区分として使われている言葉ではなく、NEWSが外部空間を考えるうえで大切にしている独自の考え方です。
外構、エクステリア、造園、ガーデン、ランドスケープ。どれも外まわりを考えるうえで大切な言葉ですが、それぞれが少しずつ違う意味を持っています。NEWSでは、それらを分けて考えるのではなく、建物と暮らしを起点にひとつの外部空間として捉えています。

なぜ「アウテリア」という言葉を使うのか
私は27年前に外構業界に入った当初、「外構」という言葉をよく知りませんでした。最初は「外交」と勘違いしたほどです。
その後、エクステリアメーカーの商品カタログに触れ、門扉、フェンス、カーポート、ポスト、表札など、外まわりには多くの商品があることを知りました。しかし経験を重ねるほど、外部空間は商品を並べるだけでは完成しないと感じるようになりました。
建物の窓から何が見えるのか。玄関までどのように歩くのか。車をどこに停め、雨の日にどう動くのか。植物が育った数年後、建物はどのように見えるのか。
こうしたことまで含めて考えなければ、暮らしに馴染む外部空間にはなりません。だからこそNEWSでは、単なる外構やエクステリアではなく、「アウテリア」という言葉で外部空間を捉えています。
外構・エクステリア・造園・ガーデン・ランドスケープの違い
アウテリアを理解するために、まずは外部空間に関わる言葉を整理します。
| 言葉 | 主な意味 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| 外構 | 建物の外側にある構造物や工事 | 門、塀、駐車場、フェンス、アプローチ |
| エクステリア | 建物を取り巻く外部空間全体 | 外構商品、機能、外観のコーディネート |
| 造園 | 植物、土、石、水などを使った空間づくり | 庭園、植栽、景石、緑地、植生の復元 |
| ガーデン | 庭での過ごし方を含めた空間 | 花、菜園、テラス、屋外での食事やくつろぎ |
| ランドスケープ | 土地や地域の文脈を含む広域的な環境設計 | 公園、集合住宅、商業施設、街路、地域景観 |
| アウテリア | 建物と暮らしを起点にした外部空間全体 | 建築、外構、植栽、地域性、素材、時間を統合する |
アウテリアは、これらの考え方をつなぐ言葉です。外構工事の機能性、エクステリアの見た目、造園の植物や自然、ランドスケープの地域性。それらを建物と暮らしの中でどう関係させるかを考えます。

アウテリアは、建物の情報を外へ引き出す
外部空間のデザインは、建物をよく見ることから始まります。
屋根の水平ライン、外壁の素材、サッシの色、玄関の位置、窓の高さ、室内の床レベル、リビングから見える景色。建物には、外構を考えるためのヒントがたくさんあります。
たとえば、建物の水平ラインをアプローチや土留めのラインに反映させる。室内の床の高さに合わせてウッドデッキやテラスをつくる。リビングの窓から見える位置に樹木を配置する。
建物の中で終わっている設計を、敷地全体へ広げる。
これが、アウテリアの大切な考え方です。
商品を置くのではなく、空間に必要なものを考える
外構計画では、門柱、フェンス、カーポート、タイル、照明など、さまざまな商品を選ぶ場面があります。しかしNEWSでは、商品から考えるのではなく、その空間に何が必要かを先に考えます。
- どこから人が入るのか
- 車はどのように動くのか
- 室内から何が見えるのか
- 道路からの視線をどこで止めるのか
- 雨水はどこへ流れるのか
- どの場所に木陰が必要なのか
- 数年後、植物がどのように成長するのか
そのうえで、既製品でよいものは既製品を使い、必要であればオリジナルの門柱、平板、プランター、木製フェンス、ステンレスサインなどを製作します。
大切なのは、「何を置くか」ではなく、「なぜそこに必要なのか」です。

地域の植生や素材を取り入れる
NEWSは福岡を拠点に、九州・中国地方を中心とした外構、庭づくりを行っています。
同じ外構でも、地域によって気候、風の抜け方、日差し、土壌、周辺の植生、使える石材は異なります。アウテリアでは、その土地にある自然や素材をできるだけ読み取り、外部空間の中に取り入れることを大切にしています。
地域に馴染む樹木を選ぶ。周辺の景色と合う石を使う。既存の地形や高低差を無理に消さず、デザインとして活かす。
そうすることで、建物だけが浮いた外構ではなく、その場所に自然に馴染む外部空間になります。
アウテリアは、完成した瞬間だけをデザインしない
外構工事は完成した瞬間にきれいであることも大切です。しかし、植物を扱う外部空間は、完成した日が終わりではありません。
木は成長し、枝葉を広げ、季節ごとに姿を変えていきます。落葉樹は冬に葉を落とし、春に新芽を出します。常緑樹も新しい葉と古い葉を入れ替えながら、少しずつ姿を変えます。
だからこそ、植えた直後だけでなく、5年後、10年後にどう見えるかを考える必要があります。
アウテリアは、時間を含めて設計する仕事です。

アウテリアが整うと、暮らしの足元が整う
外部空間は、毎日の暮らしの足元にあります。
車を停める。玄関へ歩く。雨の日に傘を差す。子どもが外で遊ぶ。リビングから木を見る。テラスで椅子に座る。季節の変化に気づく。
こうした日常の小さな行為を整えることが、外構や庭づくりの本来の役割です。
アウテリアは、建物を飾るためだけのデザインではありません。暮らしの動き、視線、気持ち、時間を整えるための外部空間です。
ニューズが考えるアウテリアの5つの要素
1. 建物とのつながり
外壁、屋根、窓、玄関、床の高さなど、建物の情報を外部空間へつなげます。
2. 暮らしの動線
駐車場、玄関、庭、テラス、勝手口まで、日常の動きを自然に整えます。
3. 室内からの見え方
道路からの見た目だけでなく、リビングや玄関、ダイニングから見える景色を大切にします。
4. 地域の自然と素材
その土地の植生、石材、風景、光や風を読み取り、外部空間に取り入れます。
5. 時間による変化
植物の成長、経年変化、メンテナンスまで含めて、長く愛される庭を考えます。

よくある質問
アウテリアと外構の違いは何ですか?
外構は門、塀、駐車場、アプローチなど、建物の外側にある構造物や工事を指すことが多い言葉です。アウテリアはそれらに加えて、建物、暮らし、植物、地域性、時間の変化までを一体で考える外部空間の設計思想です。
アウテリアとエクステリアの違いは何ですか?
エクステリアは建物の外側全体や外構商品を含む言葉として使われます。アウテリアは、商品や見た目だけでなく、室内からの景色、日々の動線、地域の自然、植物の成長まで含めて計画する点を大切にしています。
アウテリアと造園の違いは何ですか?
造園は植物、土、石、水などを使って庭や緑地をつくる考え方です。アウテリアは造園の要素を含みながら、建物の設計や暮らしの機能、駐車場やアプローチまで含めて外部空間全体を整えます。
アウテリアには必ず植物が必要ですか?
植物はアウテリアにおいてとても重要な要素です。ただし、ただ多く植えればよいわけではありません。建物や暮らしに合わせ、必要な場所に必要な量の植物を入れることで、外部空間の質が高まります。
アウテリアはいつ相談すればよいですか?
理想は建物の間取りや配置を考える段階です。窓の位置、駐車場、庭、目隠し、植栽は建物計画と深く関わるため、早い段階から相談することで、より自然で使いやすい外部空間をつくりやすくなります。
私たちは、アウテリアカンパニーです
外構は、建物が完成した後に余った場所を整えるものではありません。
建物と暮らしを外へ広げ、植物や素材、地域の風景とつなぎながら、日々の足元を整えるものです。
株式会社ニューズは、建物と暮らしから外部空間を考える、アウテリアカンパニーです。
外構、エクステリア、造園、ガーデン、ランドスケープを横断しながら、その場所にしかない心地よい外部空間をご提案しています。
記事の監修・執筆
株式会社ニューズ 坂元祐介
福岡県を拠点に、新築外構、庭づくり、植栽計画、ランドスケープデザインを手掛けています。建物と外部空間を一体で考え、植物を介して建築と外部空間に心地よい関係をつくることを大切にしています。











