新築で家を建てるとき、多くの方が初めての経験になります。

住宅ローン、間取り、設備、内装、家具。決めることがたくさんあり、その中で外構や庭はどうしても後回しになりがちです。
実は、完成した後に「こうしておけばよかった」と後悔することが多いのも、外部空間なのです。
私自身、この仕事を26年以上続けていますが、自分の家を建てるときは本当に悩みました。
だからこそ、新築で外構工事を考える方に、最初に知っておいてほしいことがあります。
後悔の原因は、外構ではなく間取りにあることも多い
外構工事の相談を受けていると、「もっと庭を広くしたかった」「目隠しをしたかった」「テラスが欲しかった」という声をよく聞きます。
しかし、よく見てみると、そもそもそのスペースが確保されていないことがあります。
例えば、
- スペースがほとんどない場所に掃き出し窓を設けている
- 駐車場と庭が一体になっている
- リビング前に十分な庭の奥行きがない
こういった場合、外構だけで解決することは難しくなります。
庭を作るか作らないかの問題ではなく、最初から庭として使える条件が整っていないことがあるのです。
だからこそ、建物の間取りを考える段階から外部空間も一緒に考えることが大切だと思います。
外部空間を考える人が家づくりに参加する意味
私たちは外部空間を考えるとき、建物だけではなく周囲の環境も見ています。
- 隣家からの視線
- 道路からの見え方
- 日当たりや風の通り方
- 周辺の景色
こうした条件を見ながら、必要な場所だけを隠し、必要以上に閉じないことを考えています。
実際には、視線がそれほど気にならない場所なのに、高い目隠しフェンスを付けてしまい、かえって圧迫感のある空間になってしまうこともあります。
大切なのは、ただ隠すことではなく、心地よく暮らせることです。
「こうじゃなかった」が後悔になる
外構工事は完成してしまうと簡単にはやり直せません。
だからこそ、後悔の多くは、
「思っていたものと違った」
というところから生まれます。
何を気にするのか。
どこまで視線を遮りたいのか。
庭で何をしたいのか。
お客様によって大切にしていることは違います。
私たちは図面を描くこと以上に、お客様と話をすることが重要だと思っています。
たくさん話をしながら、一緒に答えを探していくことが、後悔を少なくする一番の方法なのかもしれません。
美しい庭でも満足できないことがある
一般的に見て綺麗な庭が完成したとしても、お客様自身に思い入れがなければ、それは本当の意味で価値のある庭とは言えないかもしれません。
私たちはお客様と一緒に樹木を見に行くことがあります。
プロだけで選んだ方が、効率よく仕上げることはできるかもしれません。
しかし、
「どの木にしようか悩んだ」
「家族で見に行った」
「この木に決めた」
そんな時間の積み重ねが、庭に物語を与えてくれます。
その物語こそが、お客様にとっての価値になると思っています。
庭は完成した瞬間がゴールではありません。
そこから始まる暮らしの中で、少しずつ愛着が育っていくものだと思うのです。
後悔しないために大切なこと
家づくりは、ほとんどの方にとって一生に一度の大きな買い物です。
だからこそ、
- たくさん調べること
- たくさん事例を見ること
- プロとたくさん話すこと
そして何より、
「どんな考え方で仕事をしている会社なのか」
を知ることが大切だと思います。
ラーメンが食べたいのに、お寿司屋さんに入ってもラーメンは出てきません。
それと同じように、会社ごとに得意なことや大切にしている価値観は違います。
施工事例を見て、その会社がどんな空間をつくっているのか。
どんな思いで仕事をしているのか。
それを知った上で依頼することが、後悔しない家づくりにつながるのではないでしょうか。
まとめ
新築で外構を後悔する理由は、工事そのものではなく、家づくり全体の中で外部空間を考えるタイミングが遅くなってしまうことにあるのかもしれません。
建物と庭は別々のものではありません。
家の中だけではなく、外も含めて暮らしは成り立っています。
だからこそ私たちは、「外構をつくる」のではなく、
暮らしの足元を整える。
そんな考え方で、建物と自然、人の暮らしをつなぐ外部空間を考えていきたいと思っています。












