
私は「外構」という言葉があまり好きではありません。
もちろん業界の中では一般的な言葉ですし、お客様にも伝わりやすい言葉です。しかし、私が日々考えている仕事を表現するには、少し違和感があります。
なぜなら、外構という言葉から連想されるのは、フェンスやカーポート、門柱や土間コンクリートといった「設備」や「工事」だからです。
しかし私たちが本当に考えているのは、それらの部材ではありません。
私たちが考えているのは「暮らし」です。
外部空間は暮らしの一部
家づくりというと、多くの人は建物そのものに意識を向けます。
間取りはどうするか。
キッチンはどこにするか。
収納は足りるか。
もちろんそれらは大切です。
しかし、家の外側にある空間もまた、暮らしを形づくる重要な要素です。
朝、玄関を出て車へ向かう時間。
休日に庭へ出て子どもと遊ぶ時間。
窓から見える樹木の揺れ。
雨に濡れた石や土の表情。
そうした何気ない日常の積み重ねが、私たちの暮らしの質を大きく左右しています。
外部空間は建物の付属品ではありません。
暮らしそのものを支える場所なのです。
なぜ植物が必要なのか
最近は敷地いっぱいに建物を建て、残った場所を駐車場としてコンクリートで固める計画をよく見かけます。
管理が楽で合理的かもしれません。
しかし、それだけでは少し寂しい気がします。
植物は管理が必要です。
落葉します。
成長します。
時には剪定もしなければなりません。
人間の思い通りにはなりません。
しかし、その「思い通りにならなさ」が大切だと思っています。
植物は季節を教えてくれます。
春には芽吹き、夏には木陰をつくり、秋には色づき、冬には枝の美しさを見せてくれます。
その変化に触れることで、私たちの心も少しずつ動きます。
人は本来、自分以外の存在と関わりながら生きています。
家族もそうです。
子どももそうです。
ペットもそうです。
植物もまた同じです。
自分ではコントロールできない存在と共に暮らすことが、人の心に豊かさを与えてくれるのではないでしょうか。
建物から外部空間を考える
私たちは外部空間を考えるとき、まず建物を読み解くところから始めます。
建物には必ず設計者の意図があります。
水平ライン。
窓の配置。
軸線。
素材感。
光の入り方。
その建物が持っているメッセージを読み取り、外部空間へとつなげていく。
だから私たちは、単純にフェンスや植栽を配置しているわけではありません。
建物と外部空間を一つの連続した空間として考えています。
建築と庭が一体になったとき、暮らしはより豊かなものになります。
土地の文化をデザインに取り込む
私はその土地にある素材や植物を大切にしたいと考えています。
全国どこへ行っても同じ景色ではなく、その地域だからこそ生まれる空間があります。
その土地に自生する植物。
その地域で採れる石材。
長い時間をかけて育まれてきた文化。
そうしたものを丁寧に読み解き、現代の暮らしに合わせて再編集する。
それは単なるデザインではありません。
土地の記憶を未来へつなぐ仕事だと思っています。
私たちが目指すもの
私たちは外構工事の会社になりたいわけではありません。
私たちは、暮らしを豊かにする外部空間をつくる会社でありたいと思っています。
建物と人をつなぐ。
人と自然をつなぐ。
土地の文化と未来をつなぐ。
そのために、外部空間を整えていく。
私たちが大切にしている言葉があります。
「暮らしの足元を整える」
派手な言葉ではありません。
しかし、日々の暮らしを支える本質的な言葉だと思っています。
庭やアプローチ、テラスや植栽は、家の余った場所ではありません。
そこは暮らしの足元です。
そして、その足元が整うことで、人の暮らしはもっと豊かになると信じています。












